老人ホームに看護師が転職!成功のために知るべき13個のポイント
更新:2023/04/11
[転職]老人ホームに転職したいあなたは、老人ホームについて正しく理解していますか?
転職後のギャップをなくすためにも、老人ホームの種類や給料、仕事、転職や求人についてきちんと知っておかなければいけません。
この記事の内容はこれ!
老人ホームに看護師が転職!3種類の施設がある!
老人ホームに看護師が転職するなら、まずは老人ホームの種類を知りましょう。老人ホームの種類は、次の3種類があります。
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
それぞれの特徴や人員基準などを説明します。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、「老健」と呼ばれる施設です。病院を退院したけれど、すぐには自宅に戻れない高齢者が、リハビリや介護サービスを受けるために入所する施設です。
3ヶ月ごとに入所見直しがあるので、ずっと入所しているわけではなく、あくまで一時的に入所するための老人ホームです。しかし、自宅での受け入れ準備が整わない場合、1年以上入所している人も少なくありません。
<人員基準(入所者100人当たり)>
- 常勤医師1名
- 看護職員9名
- 介護職員25名
- リハビリスタッフ(PT、OT、ST)1名
- ケアマネージャー1名
看護職員の数は老人ホームの中でも多く、常勤医師がいることも義務付けられています。そのため、入所者の医療度は介護施設の中でも高く、人工呼吸器をつけていたり、末期がんでペインコントロールが必要だったり、ドレーンが入っている入所者もいます。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、「特養」と呼ばれている施設で、基本的に要介護3以上の人が入所しています。入所期間の制限はありません。1度入所すれば、長期入院が必要にならない限り、ずっと入所していることができます。
<人員基準(入所者100人当たり)>
- 医師1名(非常勤でもOK)
- 看護職員3名
- 介護職員31名
- ケアマネージャー1名
特別養護老人ホームでは、看取りに力を入れていて、家族や入所者の意向を取り入れた看取りを行っているところが増えてきています。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、医療法人や民間企業が運営している老人ホームで、施設によりサービス内容や入所基準は異なります。
<人員基準>
- 看護職員=入所者30名未満の場合は1人以上、入所者30名以上の場合は、人数によって増員あり
- 介護職員=入所者3人に対して1人以上
- ケアマネージャー=1人以上
- 管理者=1名
- 生活相談員=入所者100人に対して1人以上
- 栄養士=1人
- 機能訓練指導員=1人以上
ホテルのようなきれいな施設・設備、充実したサービスのところもあります。治療が必要になったら、退所しなければいけないところもあります。逆に、看取りをしているところもありますし、人工呼吸器をつけていても入所可としているところもあります。
「有料老人ホーム」と言っても、多種多様ですので、きちんと調べておく必要があります。
老人ホームに看護師が転職!給料は基本的に高くない
老人ホームに看護師が転職する時に、気になるのは給料だと思います。老人ホームの給料は、基本的にあまり高くはありません。急性期病棟から転職する場合、給料がダウンしてしまう人が多いです。
しかし、じっくりと施設選びをすれば、病棟と同程度の給料を稼ぐことは可能です。介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームの平均給料はそれぞれ違います。
- 介護老人保健施設=年収430~450万円
- 特別養護老人ホーム=年収380万円前後
- 有料老人ホーム=年収380~530万円
介護老人保健施設は夜勤がありますが、給料水準は低めで、ボーナスもそこまで多くありません。特別養護老人ホームは、基本的に日勤のみで夜間のオンコールがあるだけなので、年収400万円を下回ることが多いです。
有料老人ホームは、施設によって給料は大きく異なります。夜勤なしの施設もあるので、そのような老人ホームだと、年収400万円を切ることもあります。
しかし、夜勤があり、さらに民間企業が運営するホテルのような豪華な有料老人ホームだとボーナスもたっぷりあるので、年収500万円以上を稼ぐことができます。
老人ホームに看護師が転職!仕事について知っておきたい6つのこと
老人ホームに看護師が転職する時には、仕事について6つのことを確認してから、転職するかどうかを決めましょう。
仕事内容は基本的に医療行為なし
老人ホームの仕事内容は、病棟とは違います。基本的には、医療行為はありません。老人ホームの看護師の1日の仕事の流れを見ていきましょう。
- 8:30 申し送り
- 9:00 入所者のバイタルチェック
- 10:00 入浴者の皮膚処置や排便処置
- 11:30 インスリン注射や食前薬の投与
- 12:00 食事介助
- 12:30 食後薬の配薬
- 13:00 休憩
- 14:00 入浴者以外の皮膚処置、レクリエーションの手伝い
- 15:00 翌日の配薬準備
- 16:00 看護記録の記入
- 17:00 勤務終了
老人ホームの看護師の仕事は、このようなものになります。インスリン注射をすることはあるものの、点滴などの医療行為をすることは滅多にありません。
ただ、最近は老人ホーム、特に介護老人保健施設の医療度が上がってきているので、人工呼吸器の管理や痰の吸引、ドレーン管理などを行わなければいけない施設もあります。
老人ホームでの看護師の役割は健康管理と緊急時の対応
老人ホームでの看護師の役割は、入所者の健康管理と緊急時の対応です。老人ホームの入所者は、病院に入院する必要がない人ばかりですので、積極的な加療は必要ありません。
基本的には、現状維持が目標になり、看護師はそのために入所者の健康管理を行い、異常の早期発見に努めていく必要があります。
また、老人ホームは医療施設ではないため、医師が24時間いるわけではありません。そのため、入所者が急変した時などの緊急時は看護師が判断・対応しなければいけません。
夜勤の有無は施設によって異なる
老人ホームに夜勤はあるのかどうかは施設によって異なります。介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームは、どれも法律上は看護師は夜勤を絶対にしなければいけないわけではないのです。
ただ、入所者の医療度に応じて、夜勤があるところも多いです。
<夜勤ある老人ホーム>
- 介護老人保健施設
- 有料老人ホーム
<日勤のみの老人ホーム>
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム(一部のみ)
介護老人保健施設は基本的に夜勤ありで有料老人ホームは、夜勤があるところが多いものの、一部は日勤のみの勤務になります。
特別養護老人ホームは日勤のみで、夜間はオンコール対応にして、何かあったら介護士からオンコール当番の看護師に電話がかかってきて、電話で指示を出すか、実際に出勤して対応しなければいけません。
老人ホームに向いているのはこの4つのタイプ!
老人ホームに向いている看護師は、次のようなタイプです。
- じっくり向き合った看護をしたい
- 心身共にゆとりを持って働きたい
- 高齢者とおしゃべりするのが好き
- 認知症看護を深めたい
このようなタイプの看護師は、老人ホームに向いています。ただ、4つに当てはまらなくても、老人ホームで働いてみたいと思っているなら、老人ホームに転職してみましょう。
「働きたい!」と思うやる気が、一番大切なことです。
人間関係は大変なことも
老人ホームでは、たくさんの介護士が働いています。介護士は、「看護師は楽なのに、私たちよりも給料が高い!ずるい!」と看護師を敵対視している人が少なくありません。
少しでも仕事ができない看護師には、意地悪をしてくることが多いです。
また、看護師も古い考えの人は、介護士を見下していることがあります。そのため、看護師と介護士の関係が悪い老人ホームがたくさんあるのです。
そのような老人ホームだと、入職後に人間関係で悩むことになるかもしれません。
キャリアアップもできます!
老人ホームに転職しても、どんどんキャリアアップしていくことが可能です。
老人ホームというと、病院勤務に疲れた看護師が、適当にゆるく働いているところというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
確かに、そのような看護師もいますが、キャリアアップを目指して働くことも可能です。
老人ホームで役立つ資格には、次のようなものがあります。
- 老人看護専門看護師
- 認知症看護認定看護師
- 摂食嚥下障害認定看護師
- 皮膚・排泄ケア認定看護師
- ケアマネージャー
- 認知症ケア専門士
最近では、老人ホームで活躍する専門看護師や認定看護師が少しずつ増えてきています。今後は、高齢者の増加に伴い、キャリアアップした看護師は老人ホームで重宝されるようになるはずです。
キャリアアップしたい看護師は、転職先に資格取得支援制度があるかどうかを確認しておくと安心です。
老人ホームに看護師が転職!求人選びのために知っておきたい5つのこと
老人ホームに看護師が転職する時には、求人選びのための5つのポイントも確認しておく必要があります。
いろいろな働き方を選べる
老人ホームは、いろいろな働き方を選ぶことができます。
- 夜勤ありの常勤
- 日勤のみ(オンコールあり)の常勤
- 完全日勤のみの常勤
- パート
- 夜勤専従のパート
- 派遣看護師
夜勤ありの老人ホームでも、完全日勤のみの求人が出ていることがありますので、夜勤はしたくないけれど、常勤として働きたい人でも、比較的簡単に求人を見つけることができます。
また、夜勤専従の求人も多いですし、派遣という働き方もできます。
実は、看護師は派遣という働き方は法律で禁止されている部分があるのですが、介護施設である老人ホームでは看護師でも派遣として働けるのです。
介護業務の有無は施設によって異なります
老人ホームへの転職で心配なことは、介護業務についてだと思います。看護師が介護業務をしなければいけないかどうかは、その施設によって異なります。
看護師は基本的に介護業務(力仕事系)はノータッチというところもありますし、手が空いている時には積極的に手伝うべきという施設もあります。
前者は体力的に楽で、業務量的にもゆとりを持って働けますが、後者はとても忙しく、体力的にもきついです。
ブランクがあっても大丈夫!
老人ホームは医療行為は基本的にないので、ブランクがある看護師でも復職できます。10年以上ブランクがあっても、老人ホームなら再就職可能です。
ただ、「ブランク歓迎!」などブランクがある看護師に丁寧に指導してくれるところを選び、あなた自身も基礎看護やアセスメントに関する勉強をする必要はあります。
基本的には子育てとの両立はしやすい!
老人ホームは、基本的には子育てとの両立はしやすいので、子持ちの看護師にもおすすめの転職先です。
体力的に病棟よりもゆとりを持って働けますし、残業は少なく、定時であがれることが多いです。
ただ、老人ホームは日勤のみの勤務だとしても、土日休みというわけではないので、そこは注意しなければいけません。
医師がいない不安はマニュアルと連携システム、アセスメント力で解決
先ほども言いましたが、老人ホームには医師が常駐しているわけではありませんので、医師がいないことへの不安を持つ人も多いと思います。
医師がいないことへの不安は、マニュアルと医師との連携システムをチェックし、アセスメント力を磨くことで解決できます。
医師がいない時の対応の手順がしっかり決められていたり、病院と密に連携を取っていて、いつでも提携病院の医師に電話相談できるところだと、不安なく働くことができます。
また、普段から高齢者のアセスメントをして、アセスメント力を磨いておきましょう。老人ホームで看護師に求められるのは、急性期のようにテキパキ動くことや高度な医療に関する知識ではなく、アセスメント力です。
最初からアセスメント力を持っている看護師はいませんが、働きながら少しずつ身につけていくと、医師がいない時でも冷静にアセスメントができて、的確に判断・対応できるはずです。
まとめ
老人ホームに転職したい看護師が知っておくべき13個をまとめましたが、いかがでしたか?
老人ホームは、施設によって仕事内容や勤務形態などが異なりますので、まずはあなたがどのような条件で働きたいのかを考えてから、老人ホームの求人を選ぶようにすると、混乱せずに求人選びがはかどると思います。
老人ホームの求人は看護師転職支援サイトを使うと、簡単に探すことができます。あなたの希望する条件を伝えれば、転職コンサルタントがその条件に合った老人ホームを絞り込んでくれます。
自分で介護業務の有無やマニュアルの充実度、医師との連携システム、人間関係についてなどを調べるのは限界がありますので、このような便利なサービスをどんどん活用していきましょう。
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