看護師が妊娠!不安なく出産するための4つの注意点と2つの選択肢
更新:2023/03/29
[転職]看護師が妊娠したら、喜びと同時に不安でいっぱいになると思います。看護師の仕事は妊婦にとって、心身ともにきついことが多いですから。
看護師が妊娠したら、出産に向けてどうすべきなのか?不安なく妊婦生活を送るためのヒントをご紹介していきます。
この記事の内容はこれ!
看護師が妊娠したらまずすべき3つのこと
看護師が妊娠したら、まずは次の3つのことを行いましょう。
- 師長に報告する
- 産休・育休について調べる
- 旦那さんとしっかり話し合う
この3つのことを行うことで、今後は今の職場で働いていくべきか、働いていくことができるのかが見えてきます。
また、まずはこういった行動を起こすことで、漠然とした不安も少しずつ解消されていくはずです。
師長に報告する
妊娠が判明したら、まずはすぐに師長に妊娠報告をしてください。安定期に入っていなくても、また胎児の心拍確認ができていなくてもです。
一般的に、上司への妊娠報告の時期は流産のリスクが少なくなる12週以降、または安定期に入ってからが良いとされています。ただ、それはデスクワークの場合です。
看護師は体力勝負の仕事ですから、仕事量やシフトを配慮してもらう必要がありますので、妊娠がわかったらすぐに師長に報告すべきなのです。
だから、「妊娠報告の時期は安定期に入ってから」のような一般的な常識は気にせずに、妊娠中に不安なく働けるように早めに報告しましょう。
同僚への妊娠報告は、師長と相談して、いつ頃報告すべきかを決めましょう。同僚全員に妊娠を早めに報告するのは、リスクが大きいこともありますから。
産休・育休について調べる
妊娠した看護師さんは、その職場の産休・育休について調べるようにしましょう。一般的に産休は産前6週から産後8週まで取得できます。産休の取得は義務ですね。
その後、育休は子が1歳になるまで取得できるのが一般的になります。ただ、子育て支援が手厚い職場は子が3歳になるまで育休を取れることもあります。
しかし、その一方で育休はあまり取ってほしくないという職場も少なくありません。
育休の取得は義務ではなく、育休を取らずに復帰することも可能なので、職場側はあまり長く育休を取らずに早く復帰してほしいと遠回しに圧力をかけてくることもあります。
産休・育休取得の手続きや育休はどのくらい取得できるのか、みんな今までの先輩看護師はどのくらい取得していたのかを確認しておくと良いでしょう。
看護師の産休・育休は「看護師の産休・育休はこれで安心!知っておくべき4つのこと!<リンク>」で詳しくまとめています。
旦那さんとしっかり話し合う
最後は旦那さんと、今後のあなたの働き方についてしっかり話し合いましょう。これは、旦那さんとあなたの価値観や経済状況によって、いろいろな答えが出ると思います。
経済的に出産ギリギリまで働いてもらって、育休を取らずにすぐに働かなくてはいけないという人もいるでしょう。
逆に、子供が小さいうちは働かずに、子育てに専念してほしい(専念したい)という人もいると思います。
この点については、1人1人考え方が違います。夫婦間でも考え方が違うことはよくあります。
そのため、妊娠がわかったら、夫婦間で今後のあなたの働き方について、しっかり話し合っておきましょう。
看護師が妊娠したら、仕事上で注意すべき4つのこと
看護師が妊娠したら、今までと同じように仕事をするのは難しくなります。今までと同じように仕事をしていたら、体に負担がかかりすぎて、流産や早産のリスクが高くなるんです。
そのため、妊娠した看護師は、次の4つのことに気を付けるようにしましょう。
- 夜勤はしない
- 力仕事、X線は避ける
- 感染にも注意して
- 当たり前の気持ちを持たない
この4つのことに注意すれば、妊娠中でも安全に無理のない範囲で看護師の仕事を続けていくことができるはずです。
夜勤はしない
妊娠が判明したら、夜勤には入らないようにしましょう。妊娠しても夜勤に入らなければいけない、妊婦も夜勤をするのが普通という職場も少なくありません。
実際に、「妊娠中は夜勤にいつまで入らなくてはいけないんだろう?」と不安に思っている看護師さんも多いと思います。
しかし、看護師の切迫流産の確率が高いのは、夜勤による不規則な生活が原因の1つとも言われています。
日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査「報告書」」によると、妊娠中に切迫流産・早産を経験した看護師は29.8%もいるのです。
不規則な勤務は母体に負担をかけているのは間違いありませんから、夜勤はしないようにしましょう。
労働基準法第66条では、妊産婦が請求した場合は、時間外労働や休日労働、深夜業をさせてはならないとしています。つまり、妊娠した看護師は夜勤免除になるのです。
だから、師長に妊娠報告をした時に、夜勤はしないことをきちんと伝えましょう。師長が「それは困るわ」と言っても、労働基準法のことを持ち出せば、師長は納得せざるを得なくなります。
「みんなに迷惑がかかる」と思って、無理して夜勤に入ろうとする人もいると思いますが、赤ちゃんのためにも夜勤に入るのは止めるようにしましょう。
「看護師は夜勤で流産する可能性が高くなるの?<リンク>」も読んでおくことをおすすめします。
力仕事、X線は避ける
妊娠が判明したら、力仕事やX線の近くで仕事をするのは避けてください。これは、当たり前のことですが、母体に負担がかかりますし、赤ちゃんへの影響もありますので、意識して気を付けるようにしましょう。
また、放射線科で働いている看護師さんは異動させてもらうべきですし、オペ室勤務の看護師さんは担当するオぺにはX線を使わないもの限定にしてもらわなくてはいけません。
ICUやCCUなどのオープンフロアの部署で働いている場合は、ポータブルレントゲンでうっかりX線を浴びてしまう可能性がありますので、十分に注意してください。
また、これは科学的な実証があるわけではありませんが、妊婦はステルベン処置も避けたいですね。妊娠中の看護師はステルベン処置は、同僚の看護師さんに代わってもらったほうが良いでしょう。
感染にも注意して
妊娠中は感染にも注意しましょう。普段からも感染には十分に注意しなければいけないのですが、妊娠中は特に針刺しやそのほか患者さんからの感染には注意しなければいけません。
例えば、HIVの患者に使用した針で針刺し事故を起こした場合、通常は予防内服を開始します。でも、予防内服の薬は妊娠初期の胎児への安全性は確認されていないのです。
妊娠中はどうしても使用できる薬が制限されてしまいますから、感染にはいつも以上に十分に気を付けるようにしましょう。
当たり前の気持ちを持たない
最後に、妊娠中に看護師の仕事をする上で注意すべきことは、当たり前の気持ちを持たないことです。妊娠中は師長や同僚に協力してもらいながら、働くことが多いと思います。
妊娠中は配慮してもらうのが当たり前ではあるのですが、あなたはそう思わないようにして下さい。
やってもらって当たり前。妊娠中なんだから、夜勤は免除してもらって当たり前。力仕事はやらなくて当たり前。そう思ってしまうと、師長や同僚から嫌われます。
もう協力してもらえなくなりますし、職場で肩身の狭い思いをすることになるでしょう。
だから、当たり前の気持ちを持たず、いつも感謝の気持ちを表現しながら、謙虚な姿勢で仕事をしましょう。
感謝の気持ちと謙虚な姿勢が、妊娠中に働きやすい環境を自分で作るための秘訣なのです。
看護師が妊娠すると、マタハラに悩むこともある
看護師が妊娠すると、マタハラに遭うこともあります。マタハラとは、妊産婦に対する職場での嫌がらせやイジメのことですね。
看護師のマタハラには、主に次の3つがあります。
- 職場を辞めるように強要される
- 同僚からのイジメ
- パワハラによる夜勤や残業の強要
この3つについて事例を交えながら詳しく説明します。
職場を辞めるように強要される
看護師のマタハラの1つ目は、職場を辞めるように強要されることです。これは、小さな職場に多いマタハラですね。
個人経営のクリニックで働いていました。院長に妊娠を報告したら、産休に入るのと同時に辞めてもらいたいと言われました。
『うちは小さな職場で、産休・育休をあげる余裕がないから。』という理由です。
私は、産休・育休を取ってからまた同じ職場に復帰したかったので、退職したくないことを伝えたのですが、それはできないと言われてしまいました。
その後は院長の態度が冷たくなり、辞めざるを得ないような状況に追い込まれてしまって、結局産休に入る前の妊娠32週の時点で退職することになりました。
妊娠を理由に退職させるのは違法ですが、現実はこのように退職しなければならない状況になることも珍しくありません。
同僚からのイジメ
看護師のマタハラの2つ目は、同僚からのイジメです。妊娠すると夜勤に入れなかったり、力仕事ができなかったりしますが、それを妬んでいじめに発展することがあります。
妊娠後は、夜勤を免除してもらって、部屋持ちよりも座っていられる時間が長いリーダー業務を多くさせてもらっていました。
ついこの前、休憩室に入ろうとしたら、中から「妊娠してるからってずるいよね。あれって単なる甘えでしょ?自分で望んで妊娠しているのに、こっちの仕事の負担が増えるのは勘弁してほしいんだけど。」と同僚たちが話しているのを聞いてしまいました。
みんなにフォローしてもらった時にはお礼を言ったり、できる範囲で頑張っていたつもりだったので、それを聞いてとてもショックで…。出産後も今の職場で働くつもりでしたが、今は退職することを考えています。
看護師の仕事はとてもハードなので、師長や同僚に協力してもらう必要があります。
それは当然のことなのですが、「妊娠中に働く」ということに理解がない同僚が多いと、マタハラに発展することがあります。
結婚していない独身看護師が妊娠を妬んで、嫌がらせをすることもありますね。
パワハラによる夜勤や残業の強要
看護師のマタハラ、最後はパワハラによる夜勤や残業の強要です。先ほども説明したように、妊娠中は自分から請求すれば夜勤や残業は免除されます。
でも、理解のない上司がいると、「妊娠中でも夜勤をしないと許さない」、「妊娠中だからって、みんなが残業をしているのに、自分だけ残業しないの?おかしいよね?」と夜勤や残業を強要されることがあります。
師長に妊娠報告をすると同時に、夜勤は免除してほしいことを伝えたら、『みんなが夜勤をしているのに、妊娠しているからといって、あなただけ夜勤をしないなんてあり得ないわ。今までみんな妊娠しても夜勤をしてきたのよ。』と言われて、夜勤に入らなくてはいけない状態になってしまいました。
それが原因かはわかりませんが、勤務中に出血をして切迫流産の診断。そのまま入院して絶対安静の状態になり、そのまま退職になりました。
無事に出産できたので良かったですが、あの時の師長の言葉はいまだに忘れられないし、思い出すといまだにムカつきます。
法律では夜勤や残業は免除されているのに、師長がそれを許さないというケースのマタハラも珍しくありません。夜勤を免除してもらいたいことを言い出せない雰囲気の職場も多いですね。
看護師が妊娠したら、その後の選択肢のメリット・デメリット
看護師が妊娠したら、職場を辞めるべきかどうかを迷うことも多いと思います。妊娠した後には、次の2つの選択肢があります。
- 今の職場で仕事を続ける
- 妊娠を機に退職する
この2つの選択肢のメリット・デメリットを見てみましょう。
今の職場で仕事を続ける
今の職場で仕事を続けて、産休・育休に入り、その後復帰するケースのメリット・デメリットを見てみましょう。
- 今の職場で仕事を続けるメリット
- 今の職場で仕事を続けるデメリット
今の職場で仕事を続けるメリット
今の職場で仕事を続けるメリットは、経済的に安定することですね。今の職場に在籍したまま産休・育休に入れば、次の3つの手当てがもらえます。
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
出産育児一時金は退職後にそのまま旦那さんの扶養に入るか、国民健康保険に入ればもらえますが、出産手当金や育児休業給付金は職場に在籍していないと貰うことができません。
産休・育休中にもらえる手当については、「看護師の産休・育休はこれで安心!知っておくべき4つのこと!<リンク>」で詳しく説明しています。
今の職場で仕事を続けるデメリット
今の職場で仕事を続けるデメリットは、マタハラに遭ったり、体調が優れない時も無理をしなければいけないことがあることです。
妊婦に優しい職場なら大丈夫ですが、そうでない職場の場合はストレスに感じたり、体への負担が大きくなります。
また、産休・育休は復帰を前提とした休暇です。でも、出産後のことは出産してみないとわからないんです。
復帰する気満々でも体調が優れなかったり、子どもの体が弱く、あなたが働けない可能性もあるのです。
産休・育休中に退職することもできなくはないですが、基本的には復帰しなければいけないというのは、プレッシャーになることもあります。
妊娠を機に退職する
出産前に退職するという選択肢のメリット・デメリットをご紹介します。
- 妊娠を機に退職するメリット
- 妊娠を機に退職するデメリット
妊娠を機に退職するメリット
看護師が妊娠を機に退職すると、妊婦生活を心穏やかに、体への負担もなく存分に楽しむことができます。赤ちゃんと一心同体である妊娠中は、とても貴重な時間です。
その貴重な時間をゆったりとした気持ちで過ごしながら、出産への準備ができます。
また、産後は自分のタイミングで、さらに子育てと仕事を両立しやすい職場を選んで看護師に復帰できることも大きなメリットですね。
妊娠を機に退職するデメリット
妊娠を機に退職するデメリットは、経済的に損をすることですね。妊娠を機に退職すると、出産手当金と育児休業給付金がもらえません。
出産手当金と育児休業給付金は産休・育休中でも給料の3分の2が支給されますが、退職するとその手当がもらえないんです。
看護師が妊娠を希望しているなら、今すぐ転職!
看護師が妊娠をしている場合、つまり妊活中の場合は今すぐ転職をすることをおすすめします。
特に、妊娠しにくいことに悩んでいる人は、早めに転職しておきましょう。仕事のストレスや不規則な生活は、ホルモンバランスを乱しますので、妊娠しにくい体質になってしまいます。
夜勤と妊娠の関係については、「看護師は夜勤で妊娠しにくいという悩みを持っている?」で詳しく説明しています。
また、「看護師は夜勤で不妊になりやすくなるの?」も読んでおきましょう。
だから、ストレスが少なく、規則正しい生活を送れる職場に転職すると、妊娠に一歩近づくことができます。
また、今の職場は妊婦に優しい職場ですか?妊娠した看護師の働き方を配慮してくれる職場ですか?子育てと仕事を両立させやすい職場でしょうか?
看護師が妊娠すると転職が非常に難しくなるので、妊娠前の今のうちから、妊婦の看護師やママナースに優しい職場に転職しておくべきなんです。
妊娠後の転職については、「看護師の中途採用で妊娠している場合はどうなの?」を参考にしてください。併せて、「看護師は中途採用時に妊娠について聞かれることって普通にあるの?」も読んでおくと良いでしょう。
看護師の中には、「看護師何年目で妊娠して、出産後1年で復職」のように計画している人も多いと思います。
その計画通りに進めるためには、計画を実行しやすい職場に転職しておくことが一番大切なんですよ!
看護師転職支援サイトは妊娠を機に退職する&妊活中の看護師の強い味方
看護師が妊娠した時にすべきことや注意点、妊娠後の選択肢別のメリット・デメリットをまとめました。
看護師が妊娠すると、不安ががいっぱいで素直に喜べないことがあるかもしれませんが、妊娠はおめでたいことであることは間違いありません。
もし、あなたが不安でいっぱいでネガティブな気持ちになってしまうなら、思い切って退職してしまうのも良いでしょう。人生で1~2度しかない貴重な妊婦生活を楽しめないのはもったいないと思います。
退職を決断したら、妊婦生活を楽しむと同時に、早めに転職活動をしておきましょうね。妊娠中に転職するためではなく、出産後に転職をするための転職活動です。
出産後は育児に追われて転職活動をする時間がありません。バタバタした状態で転職活動をすると、妥協して、育児との両立が難しい職場に転職しなければいけないこともあるでしょう。
そうならないためにも、時間に余裕のある今のうちから転職活動をして、どんな職場なら育児と仕事を両立させることができるかをリサーチしておく必要があります。
そのためには、看護師転職支援サイトを使うようにしましょう。看護師転職支援サイトなら、経験豊富な転職コンサルタントが育児と仕事を両立させることができる職場についてのアドバイスをしてくれます。
転職コンサルタントの中には出産経験があるママもいますので、実体験に基づいたアドバイスもしてくれるんですよ!
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