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地域包括ケア病棟とは?回復期リハビリ病棟との違いを徹底比較!

更新:2023/04/24

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地域包括ケア病棟が増えてきていますが、「地域包括ケア病棟のことがよくわからない。」、「回復期リハビリテーション病棟と何が違うかがわからない。」という看護師も多いと思います。

地域包括ケア病棟とはどのような病棟なのか、また回復期リハビリ病棟との違いは何かについて丁寧に解説していきます。

地域包括ケア病棟とは?

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地域包括ケア病棟は2014年の診療報酬改定で新設された病棟で、自宅復帰を増やすために作られた病棟のことです。

在宅復帰のための病棟

地域包括ケア病棟は、厚生労働省が在宅療養の数を増やすために新設した病棟のことです。

地域包括ケア病棟は、在宅復帰を目標にして、患者が自宅に帰れるように支援していくための病棟です。

急性期病棟の在院日数の平均は2週間前後です。長くても1ヶ月程度で退院する必要があります。

ただ、急性期での治療が終了し、状態が安定したとしても、患者全員がすぐに自宅に戻り、日常生活を送れるわけではありません。

もう少し、継続的に治療が必要なこともありますし、ADLが低下しているためにリハビリが必要なこともあります。

そのような患者は、急性期病棟から直接自宅に戻ることは不可能なため、地域包括ケア病棟に入院し、自宅へ戻るための準備をするのです。

よって、地域包括ケア病棟へ入院する患者は、自宅へ戻ることが前提となっています。

施設基準

地域包括ケア病棟の施設基準を見ていきましょう。

<地域包括ケア病棟の施設基準>

  • 専任の在宅復帰支援担当者が1名以上
  • 常勤のPTまたはOT、STが1名以上
  • リハビリが必要な患者に1日2単位以上提供

このほかにも細かい項目が厚生労働省によって決められています。

地域包括ケア病棟を持つ病院は、緊急入院に対応できる病院でなければいけません。施設基準では、次の4つのいずれかの病院である必要があるとされています。

  • 在宅療養支援病院
  • 在宅療養後方支援病院
  • 第二次救急医療機関
  • 症例に基づき認定された救急病院

在宅療養支援病院とは、24時間往診ができ、いつでも在宅患者の入院を受け入れられる病院のことです。

地域包括ケア病棟の診療報酬は、包括払いで検査や治療内容によって診療報酬額が変わることはありません。しかし、地域包括ケア病棟入院料1(2,558点)と地域包括ケア病棟入院料2(2058点)の2種類があります。

地域包括ケア病棟入院料1と2の違いは、在宅復帰率と病室の床面積です。

在宅復帰率が70%以上で、病室の床面積が患者1人当たり6.4㎡以上あれば、地域包括ケア病棟入院料1になりますが、この条件を満たしていない地域包括ケア病棟は、診療報酬が少ない地域包括ケア病棟入院料2になってしまいます。

地域包括ケア病棟の施設基準を説明してきましたが、地域包括ケア病棟について大体わかってきたと思います。

<地域包括ケア病棟の特徴>

  • 在宅復帰が目標。診療報酬にもかかわるほど重要な項目
  • リハビリが必要な人にはリハビリも行う
  • 緊急時の受け入れも行う

こういったことが、地域包括ケア病棟の特徴なのです。

地域包括ケア病棟の役割な自宅療養の支援

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地域包括ケア病棟のことがある程度わかったところで、次は地域包括ケア病棟の役割を見ていきましょう。

地域包括ケア病棟の役割は、自宅での療養支援です。患者と家族が自宅で安心して療養できるように支援するのが、地域包括ケア病棟なのです。

急性期病棟からの入院を受け入れ

地域包括ケア病棟は、急性期病棟から転院してきた患者が多いです。急性期での治療は終わったけれど、まだ継続的な治療やリハビリが必要だったり、家族の受け入れ態勢が整っていないため、すぐには自宅へ戻れない患者が多いのです。

そのような患者を受け入れるのが、地域包括ケア病棟の役割です。地域包括ケア病棟の入院期間は60日間以内です。60日間以内に、自宅復帰のための準備を整えて、患者が自宅に帰れるように、また家族が受け入れられるように支援していくのです。

在宅からの受け入れ

地域包括ケア病棟では、在宅からの受け入れも行っています。自宅療養をしている患者の状態が悪くなったら、地域包括ケア病棟に入院します。

自宅で療養している患者や家族は、「状態が悪くなったらどうしよう?」という心配を抱えていますが、そういった患者をスムーズに受け入れて治療をし、また自宅療養ができる状態に戻すのが地域包括ケア病棟の役割なのです。

いざという時に頼りになる存在であり、地域での自宅療養を支えているのが地域包括ケア病棟と言えるでしょう。

また、地域包括ケア病棟はレスパイト入院を受け入れているところが多いです。レスパイト入院とは、家族が療養の世話に疲れた時に地域包括ケア病棟で入院を受け入れてくれるシステムのことです。

自宅療養をしていると、家族は24時間365日、休む暇がありません。そうすると、介護疲れで虐待が起こったり、介護放棄などの問題が起こりやすくなります。

家族が休む時間、リフレッシュできる時間を作るためのレスパイト入院を受け入れることで、患者も家族も安心して自宅療養をすることができるのです。

地域包括ケア病棟はみんなにメリットがある病棟!

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地域包括ケア病棟には、国、患者、病院それぞれにメリットがあります。どんなメリットがあるのかを1つ1つ説明します。

国(厚生労働省)のメリットは医療費削減

国、つまり厚生労働省が地域包括ケア病棟を作った理由は、患者を早く自宅に帰して、医療費を削減することです。

高齢者の急増と共に、医療費が増大しています。医療費を削減するためには、入院日数をできるだけ短くし、自宅で療養してもらうのが一番確実です。

そのため、入院期間に上限がない療養病床を削減し、代わりに入院期間を60日以内として、自宅復帰を前提にしている地域包括ケア病棟を作ったのです。

地域包括ケア病棟が増えると、国の財政が助かるのです。

患者のメリットは選択肢が増えること

地域包括ケア病棟の患者にとってのメリットは選択肢が増えることです。価値観の多様化によって、病院で死を迎えるのはなく、自宅で家族に看取られたいと希望する人が増えています。

その希望を叶えるのを助けてくれるのが、地域包括ケア病棟です。

急性期病棟を退院する際に、自宅に戻るのは今のところ無理。それなら、療養型病棟で長く入院するか、介護施設に行くかという選択肢に加えて、自宅療養を前提とした地域包括ケア病棟に入院するという選択肢ができたことで、患者1人1人の希望に合わせた選択ができるのです。

病院のメリットは収入増が見込めること

地域包括ケア病棟の病院側のメリットは、中小規模の病院にとっては安定した収入&収入増が見込めることです。

一般病床の診療報酬は、出来高払いです。治療や検査をすればするほど、病院の収入は増えます。

しかし、中小規模の病院は重症患者が少ないので、専門性の高い治療はあまり行われず、手術・検査の件数も少ないです。

つまり、一般病床の出来高払いは、中小規模の病院にとっては不利なのです。

それに対し、地域包括ケア病棟は、基本的に治療内容に関係なく包括払いです。さらに、手術や麻酔、摂食機能療法、人工腎臓などの治療を行うと加算があります。

そのため、地域包括ケア病棟は重症患者が少ない中小規模の病院でも一定の収入が見込めて、場合によっては一般病床よりも大幅に収入増が期待できるのです。

看護師のメリットは経験によっては調整手当がつくこと

地域包括ケア病棟の看護師のメリットは、経験によっては大幅な給料アップが見込めることです。

先ほども話したように、基本的に地域包括ケア病棟は病院の収入がアップするので、それを看護師の給料に還元することが多く、看護師の給料は高めにしている病院が多いです。

しかも、退院調整の経験があったり、いろいろな診療科に対応できるスキルがある看護師は、地域包括ケア病棟で役立つ看護師なので、中小規模の病院だと調整手当が月3~10万円つくこともあるのです。

もともとの給料が高めで、さらに調整手当が付けば、地域包括ケア病棟に転職することで、大幅な給料アップを期待することができます。

地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟の違いを徹底比較!

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地域包括ケア病棟と似たような位置づけの病棟に、回復期リハビリテーション病棟があります。地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟の違いを詳しく説明していきます。

施設基準の違い

まずは、施設基準の違いです。地域包括ケア病棟の施設基準は先ほど説明しましたが、念のためもう一度ここで説明しておきます。

地域包括ケア病棟

  • 専任の在宅復帰支援担当者が1名以上
  • 常勤のPTまたはOT、STが1名以上
  • リハビリが必要な患者に1日2単位以上提供
  • 在宅復帰率7割以上(地域包括ケア病棟入院料1のみ)

地域包括ケア病棟では入院期間の上限は60日間となっています。

回復期リハビリ病棟

  • リハビリテーション科の医師1名以上
  • PT3名以上、OT2名以上、ST1名以上、社会福祉士1名以上(回復期リハビリテーション病棟入院料2はPT、OTのみでOK)
  • 在宅復帰率7割以上(回復期リハビリテーション病棟入院料2は6割以上)

回復期リハビリテーション病棟の入院期間は疾患によって異なり、60~180日になっています

目的や患者の違い

次に、入院の目的や患者の違いなどを見ていきましょう。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟の入院の目的は、自宅復帰です。自宅に戻ることが前提で入院します。そのため、自宅に戻りたい患者で、60日以内に自宅に戻れる見込みがある患者は誰でも入院することができます。

回復期リハビリ病棟

回復期リハビリ病棟の入院の目的はリハビリです。専門的なリハビリを受けるために、回復期リハビリ病棟に入院します。

そのため、専門的なリハビリを受ける必要がある疾患でないと、回復期リハビリ病棟には入院できません。

入院適応になる疾患は、高次脳機能障害や頭部外傷などの脳疾患、重度の脊髄損傷、その他整形外科疾患です。これらの疾患の患者が専門的なリハビリを受けて、機能回復・自宅復帰を目指します。

看護師の役割の違い

最後に、看護師の役割の違いを説明していきます。地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟では、看護師の役割も異なるのです。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟の看護師の重要な役割は、自宅復帰へ向けた退院支援です。

  • 患者のADL
  • 患者や家族の在宅復帰への意思
  • 患者や家族の理解度
  • 家族の受け入れ状況
  • 経済状況

これらの情報収集を行い、病院のMSWや地域のケアマネージャーと連携を取りながら、患者が退院後に自宅に戻れるように退院支援を行っていきます。

もちろん、これらの退院支援を行うだけでなく、日常生活援助を通して、自宅に戻れるだけのADLの獲得と機能回復のためのケアを行う必要があります。

回復期リハビリ病棟

回復期リハビリテーション病棟の看護師の役割は、リハビリ支援です。リハビリは主治医の指示のもと、PTやOT、STが中心となって行いますが、それだけでは足りないので、看護師もベッドサイドでリハビリを行わなければいけません。

また、患者がリハビリに対して、モチベーションを維持できるように精神的なケアをしていくことも、回復期リハビリ病棟の看護師の重要な役割です。

リハビリをずっとモチベーション高く持って継続していくのは、とても大変なことです。

患者が前向きにリハビリに取り組めるように支援していくことが、回復期リハビリ病棟の看護師の重要な仕事になるのです。

地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟で迷ったらどうする?

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地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟のどちらで働くべきか迷ったら、どちらを選ぶと良いのでしょうか?

地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟は、どちらも急性期後の患者が入院してきます。そのため、重症患者はいません。また、急変は少なく、医療行為は急性期病棟ほど多くはないでしょう。

ただ、どちらの病棟もADLが低い患者が多く、ADLアップや機能回復をしなければいけないので、移動介助や入浴介助などの力仕事はやや多めになります。

地域包括ケア病棟に向いている看護師

地域包括ケア病棟に向いているのは、次のような看護師です。

  • 退院支援の経験を積みたい人
  • 地域医療に興味がある人

地域包括ケア病棟では自宅に帰ることが前提になりますので、退院支援に力を入れています。

また、退院した後もレスパイト入院や急性増悪時の受け入れを行っていて、地域の訪問看護ステーションやケアマネージャーと連携を取りながらケアを行いますので、地域医療に参加できるのです。

回復期リハビリ病棟に向いている看護師

回復期リハビリ病棟に向いているのは、次のような看護師です。

  • リハビリ看護を深めたい人
  • 脳外科や整形外科経験があり、それを活かしたい人

回復期リハビリテーション病棟ではリハビリ中心の医療・看護を行いますので、リハビリ看護に興味がある看護師には、ぜひおすすめしたい職場です。

また、脳外科や整形外科疾患の患者が多く、急性期で脳外科や整形外科で働いていた場合、その経験を活かして働くことができます。

まとめ

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地域包括ケア病棟についてまとめましたが、いかがでしたか?地域包括ケア病棟は2014年に新設されたので、まだまだ新しい病棟です。

地域包括ケア病棟は、厚生労働省にとっても、患者にとっても、病院にとってもメリットがあります。また、退院支援をしたい、地域医療に関わりたい看護師にとっても、メリットは大きいです。しかも、看護師の場合は給料アップする可能性もあります。

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執筆者情報

なーすのきもち編集部
なーすのきもち編集部
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